「中卒だから」「高校を途中でやめたから」。応募する前から、自分で自分の選択肢を狭めていないでしょうか。正直に言えば、学歴で応募条件を絞る会社はありますし、楽な道ではありません。それでも、中卒や高校中退から正社員として働いている人は実際にいます。この記事では、正社員を目指す現実的なルート、求人の探し方、高卒認定試験の考え方、面接での伝え方、そして持っておきたい心構えをまとめます。
中卒・高校中退の就職の現実
まず現実から目をそらさずにいきましょう。
求人の中には「高卒以上」などの学歴条件がついたものがあり、その求人には基本的に応募できません。そのため、最初から選べる求人の数は、高卒や大卒の人より少なくなりがちです。
ただし、それは「就職できない」という意味ではありません。学歴を問わない求人は、さまざまな業種にあります。大事なのは、数が限られているからこそ、探す場所と選び方を間違えないことです。
会社が本当に見ているもの
学歴を問わない会社が面接で見ているのは、「この人は約束を守れるか」「すぐに投げ出さないか」「素直に学べるか」といった点です。学歴の欄で勝負できない分、時間を守る、連絡を返す、身だしなみを整えるといった基本が、そのまま評価につながります。当たり前のことを当たり前にできるだけで、印象は大きく変わります。
年齢が若いうちは「伸びしろ」も武器になる
未経験者を採用して育てようとする会社は、今の能力だけでなく、これからどれだけ成長しそうかも見ています。経験が少ないことを必要以上に気にするより、学ぶ姿勢と行動量で伸びしろを示しましょう。
正社員を目指す現実的なルート
中卒・高校中退から正社員を目指す道は、ひとつではありません。
ルート1 学歴不問の正社員求人に直接応募する
いちばんシンプルな方法です。営業、建設・製造の現場、運送、販売など、学歴を問わない正社員求人は存在します。未経験歓迎で、入社後に育てる前提の会社を選ぶのがポイントです。
ルート2 アルバイト・契約社員から正社員を目指す
働きぶりを見てもらったうえで、正社員に登用される道です。ただし「登用あり」と書かれていても、実際の実績や条件は会社によって大きく違います。登用の条件や、これまでの実例があるかを事前に確認しましょう。詳しくはフリーターから正社員になるにはで解説しています。
ルート3 技術や資格を身につけてから挑む
職人の世界で経験を積んだり、仕事に必要な免許や資格を取ったりして、腕で勝負する道です。時間はかかりますが、積み上げたものは自分の武器として残ります。
どのルートを選ぶにしても、学歴より実力で評価される仕事を選ぶことが近道になります。職種ごとの向き不向きは学歴なしでも稼げる仕事の選び方で比べています。
求人の探し方 使える窓口と方法
一人で求人サイトを眺めているだけでは、なかなか前に進めません。使える窓口は使い倒しましょう。
ハローワーク
国が運営する公共の職業紹介の窓口です。求人の検索だけでなく、職業相談や応募書類の書き方、面接の相談にも乗ってもらえます。地域によっては若者向けの窓口が設けられていることもあるので、近くのハローワークで確認してみてください。
地域若者サポートステーション(サポステ)
働くことに悩みを抱える15〜49歳の人を対象に、就労に向けた相談や支援を行っている窓口です。「いきなり求人に応募するのは不安」「何から始めればいいか分からない」という段階の人にも向いています。支援の内容は拠点によって異なるので、お住まいの地域のサポステに問い合わせてみましょう。
求人サイトの「学歴不問」で絞り込む
多くの求人サイトには、学歴不問や未経験歓迎で絞り込める機能があります。ただし、条件を良く見せている求人もあるので、給与の内訳や研修の中身は必ず確認してください。
知人や先輩からの紹介
信頼できる人からの紹介は、職場の雰囲気や実際の働き方を事前に聞けるのが強みです。一方で、断りにくくなる面もあるので、条件はきちんと確認してから決めましょう。
高卒認定試験という選択肢
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施している試験で、合格すると高校を卒業した人と同じ程度の学力があると認められます。大学や専門学校などの受験資格を得られるのが大きな特徴です。
注意したいのは、合格しても最終学歴が「高卒」に変わるわけではないという点です。就職の場面での扱いは会社によって異なります。
また、学歴不問の仕事に就くだけなら、必ずしも必要ではありません。将来、進学したい、資格の受験で必要になる、応募したい会社の条件に関わる、といった目的があるなら、挑戦する価値は十分にあります。受験資格や試験日程などの詳細は、文部科学省の案内で最新の情報を確認してください。
面接で学歴や過去をどう話すか
面接で学歴について聞かれるのは、ある意味当然です。大事なのは、隠すことでも、言い訳することでもありません。
事実は短く、正直に
学校をやめた理由を長々と説明する必要はありません。事実を簡潔に伝えましょう。嘘やごまかしは、後で必ず信用を失います。
「そこから何をしてきたか」を話す
面接官が知りたいのは、過去そのものより、今のあなたがどんな人かです。その後に働いてきた経験、続けてきたこと、そこで学んだことを具体的に話しましょう。
伝え方の組み立て例
たとえば、次のような流れで組み立てると話しやすくなります。
- 事実:「高校は1年で中退しました」
- その後:「その後は現場の仕事を続け、朝早い仕事でも休まず通いました」
- 学び:「最後までやり切ることの大切さを、仕事を通して知りました」
- これから:「今度は営業で、成果で評価される働き方に挑戦したいです」
これはあくまで型の例です。中身は必ず自分の経験に置き換え、自分の言葉で話せるように練習しておきましょう。
「これから何をしたいか」で締める
最後は前を向いた言葉で終えます。なぜこの仕事を選んだのか、入社したらどう頑張りたいのか。自分の言葉で伝えることが大切です。
過去や空白期間の話し方は、空白期間・過去を面接でどう話すかでさらに詳しく解説しています。
就職活動で持っておきたい心構え
最後に、編集部から伝えたい心構えです。
- 言い訳より先に動く:学歴を理由に動かないままでは、状況は変わりません
- 約束を守る:面接の時間、連絡の返信。基本を守るだけで信頼は積み上がります
- 断られても続ける:不採用が続くのは珍しいことではありません。数を重ねて改善しましょう
- 悔しさを燃料にする:学歴で見下された経験があるなら、それを力に変えればいい
悔しさとの向き合い方は「見返したい」を力に変えるでも取り上げています。
まとめ
- 中卒・高校中退は応募できる求人が限られがちだが、就職できないわけではない
- 正社員への道は、直接応募、アルバイトからの登用、技術や資格を積む道などがある
- ハローワークやサポステ(15〜49歳対象)など、相談できる窓口は積極的に使う
- 高卒認定試験は文部科学省が実施。学歴不問の仕事なら必須ではないので、目的に応じて検討する
- 面接では過去を短く正直に伝え、「その後」と「これから」を自分の言葉で話す
学歴は過去の一部でしかありません。これから何を積み上げるかは、今日の一歩で決まります。